編集長コラム
障害者スポーツのおもしろさを求め、現場へ
2010.11.19 [伊藤数子「障がい者スポーツの現場から」]
第1回 回転をかけて音を消す!? ~ブラインドテニスの魅力に迫る~
皆さん、はじめまして。NPO法人STANDの伊藤です。私たちは障害者スポーツのスポーツとしての魅力を伝えたいと、コミュニティサイト「アスリート・ビレッジ」やインターネットライブ中継「モバチュウ」を運営しています。また、今年3月より二宮清純氏の協力のもと、障害者スポーツサイト「挑戦者たち」をスタートさせました。メインコーナー「二宮清純の視点」では毎回さまざまなゲストを迎え、障害者スポーツの現状や、競技としての魅力などが語られています。
日本では障害者スポーツは福祉やリハビリの一環として見られがちですが、決してそれだけではありません。野球なら野球、サッカーならサッカーの魅力があるように、障害者スポーツにもスポーツとしての魅力がたくさんあります。このコーナーではそれを読者の皆さんにお伝えできればと思っています。
今回取り上げるのはブラインドテニスです。これは視覚障害者が行なうテニスのこと。目が見えなくても空中に浮いているボール、つまり3次元の球技をやりたいと考えた武井実良さんが高校時代に発案したもので、数少ない日本発祥の競技です。コートの大きさやラケットの長さなどは違うものの、ルールはほぼ一般のテニスと同じ。車いすテニスは2バウンドまでOKですが、ブラインドテニスでは全盲クラスのB1は3バウンド以内、弱視クラスのB2、B3は2バウンド以内となっています。
ブラインドテニスの最も特徴的なものといえば、ボールです。スポンジでできた直径90mmのボールの中には金属球が入った盲人卓球用のボールが入っており、その金属が卓球の球に当たる音を聞き分けて、選手たちはボールの位置を把握します。でも、想像してみてください。いくら音が鳴るとはいえ、その大まかな方向はわかっても、バウンドしているボールを的確にとらえることなど、とても容易にできることではありません。それを選手たちはまるで見えているかのように瞬時に聞き分け、縦横無尽にボールを追いかけてはネットの向こうへと打っていくのです。初めて見た人は誰もが皆、驚くのも当然です。
このつづきは >>二宮清純責任編集「SPORTS COMMUNICATIONS」サイトでお楽しみください!
【当サイトの編集長コラム、またモバチュウで大変お世話になったブラインドテニスの創始者である武井実良さんが2011年1月16日17時20分ごろ、JR山手線目白駅でホームから転落し電車にひかれ、亡くなられました。心よりご冥福をお祈り申し上げます。】