編集長コラム
障害者スポーツのおもしろさを求め、現場へ
2011.03.11 [伊藤数子「障がい者スポーツの現場から」]
第5回 "知る"ことから世界は広がる! ~国際親善女子車椅子バスケットボール大阪大会~
<試合を見ていて、私は「障害がある人」と言うことを忘れて、カナダの選手に「走れ! 走れ!」と叫んでいた。本当なら「こげ!」なのに。>
これは「国際親善女子車椅子バスケットボール大阪大会」の会場に訪れた中学1年生の女の子の感想文です。また、試合の合間に行なわれた体験会に参加した中学1年生の男の子はこんなことを書いています。
<車椅子バスケの体験をする前は、操作などが難しそうで、おもしろくなさそうだったけど、体験すると気持ちを熱くするものがありました。>
こうした子どもたちの真っ直ぐで素直な感想文を読み、私はこの大会の意義について改めて考えさせられました。
国内で行なわれている障害者スポーツの大会の中でも、2003年から開催されている「国際親善車椅子バスケットボール大阪大会」(2008年、男子から女子に移行)は大変ユニークな大会の一つです。突出しているのは観客への意識が高く、「どうすればお客さんに車椅子バスケットボールを楽しんでもらえるか」ということが考えられた工夫が数多く見受けられる点です。例えば、エンターテインメント性を出そうと、コートのセンターサークルやゴールエリアをカラーにしたり、試合の合間にはダンスパフォーマンスや体験会が行なわれます。また、選手の表情や細かなプレーを観てもらおうと、ゴール脇には大画面の映像が流されているのです。会場に一歩入っただけで、少しでも車椅子バスケットボールの面白さを伝えたいという関係者の気持ちが伝わってきます。
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