編集長コラム

障害者スポーツのおもしろさを求め、現場へ

第5回 "知る"ことから世界は広がる! ~国際親善女子車椅子バスケットボール大阪大会~

<試合を見ていて、私は「障害がある人」と言うことを忘れて、カナダの選手に「走れ! 走れ!」と叫んでいた。本当なら「こげ!」なのに。>
 これは「国際親善女子車椅子バスケットボール大阪大会」の会場に訪れた中学1年生の女の子の感想文です。また、試合の合間に行なわれた体験会に参加した中学1年生の男の子はこんなことを書いています。
<車椅子バスケの体験をする前は、操作などが難しそうで、おもしろくなさそうだったけど、体験すると気持ちを熱くするものがありました。>
こうした子どもたちの真っ直ぐで素直な感想文を読み、私はこの大会の意義について改めて考えさせられました。

 国内で行なわれている障害者スポーツの大会の中でも、2003年から開催されている「国際親善車椅子バスケットボール大阪大会」(2008年、男子から女子に移行)は大変ユニークな大会の一つです。突出しているのは観客への意識が高く、「どうすればお客さんに車椅子バスケットボールを楽しんでもらえるか」ということが考えられた工夫が数多く見受けられる点です。例えば、エンターテインメント性を出そうと、コートのセンターサークルやゴールエリアをカラーにしたり、試合の合間にはダンスパフォーマンスや体験会が行なわれます。また、選手の表情や細かなプレーを観てもらおうと、ゴール脇には大画面の映像が流されているのです。会場に一歩入っただけで、少しでも車椅子バスケットボールの面白さを伝えたいという関係者の気持ちが伝わってきます。

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写真:大阪で開催された女子車椅子バスケットボールの親善試合。プレーの激しさに観客は魅了された




伊藤 数子(いとう かずこ)

挑戦者たち編集長
/NPO法人STAND代表理事

新潟県生まれ。1991年に車いす陸上を観戦したことがきっかけとなり、障害者スポーツの振興に携わるようになる。未来に向けて次代の選手・ファンを拡げていくために、障害者スポーツのスポーツとしてのおもしろさを伝えるウェブサイト「挑戦者たち」、障害者スポーツ競技大会のインターネットライブ中継「モバチュウ」、障害者スポーツ体験会などの事業を企業・団体と協働で展開している。2012年ロンドンパラリンピックでは日本選手たちの挑戦を伝えるウェブサイト「The Road to London」を開幕1年前に開設した。著書に「ようこそ、障害者スポーツへ -パラリンピックを目指すアスリートたち-」(廣済堂出版)など。

ロンドン2012パラリンピック 日本選手たちの挑戦 「The Road to London」

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