編集長コラム
障害者スポーツのおもしろさを求め、現場へ
2011.10.03 [伊藤数子「障がい者スポーツの現場から」]
第12回 激変の時代へ突入した日本の障害者スポーツ
9月24、25日、大分市営陸上競技場でジャパンパラリンピック陸上競技大会が開催されました。全国から177名の選手が集い、各競技で障害者アスリートたちの熱戦が繰り広げられました。そして、その模様は26、27日と2日間にわたってTBS『みのもんたの朝ズバッ!』で全国放送されました。嬉しいのは同番組のスポーツコーナーで取り扱われていること。「以前にもましてスポーツとして扱われるようになってきたなぁ......」。番組を観ながら、そう思わずにはいられませんでした。そして、それは現地でも感じたことだったのです。
大会初日、競技場に到着した私はこれまでとは違う雰囲気を感じていました。まずは観客数。スタンドやトラックをグルッと囲む芝生には、これまでにないくらいの人数の観客が入っていたのです。もちろん、参加選手が177名もいますから、その家族や関係者だけでも多くなるのは当然です。しかし、例えば明らかにその選手を応援に来たファンと思われる人たちが幅跳びの砂場の側の芝生に陣取っていたり、会見を終えた選手に子供がサインを求めていたりしていたのです。これまでの障害者スポーツの大会では、あまり見ることのできなかった光景があちらこちらにありました。
一方、運営にも変化が見られていました。昨年、仙台で開催されたジャパンパラリンピックでは選手はもちろん、家族や関係者も観客席だけでなく、競技場内を出入りしているのが見られました。今大会と同じ競技場で行われた5月の大分陸上でも同様でした。ところが、今大会は違いました。選手、一般、メディアとそれぞれが厳しく入場できるエリアが規制されていたのです。これまでとはまるで違う運営に選手も観客もメディアも、とまどいを隠せなかった様子でした。しかし、これは非常にいい傾向なのです。なぜなら、それだけスポーツの競技大会へと近づいている証だからです。
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