編集長コラム
障害者スポーツのおもしろさを求め、現場へ
2012.06.01 [伊藤数子「障がい者スポーツの現場から」]
第20回 新たな日本のスポーツ史をつくるリーダー ~車椅子ランナー・廣道純~
いよいよロンドンオリンピックまで残り約2カ月、そしてパラリンピックまで約3カ月となりました。各競技で続々と代表選考会や内定選手の発表が行なわれ、オリンピック・パラリンピックへのムードが高まってきています。そこで今回から、このコーナーではロンドンパラリンピックで活躍が期待されるチームや選手について取り上げていきます。今回は車椅子ランナーの廣道純選手です。
廣道選手は高校1年の時にバイク事故で脊髄を損傷し、車椅子を使用する生活となりました。もともとスポーツが得意だった廣道選手は、車椅子競技の存在を知ると、すぐに興味をもったそうです。そして、退院した翌日には地元の障害者スポーツセンターに行って、走り始めたというバイタリティにあふれた選手です。
これまで廣道選手は数々の功績を挙げてきました。マラソンでは1996年の大分国際車いすマラソンで日本人初の総合2位を獲得すると、2002年にはホノルルマラソン、ベルリンマラソンと続けて2位に入る活躍をしました。そして、最も得意とする800メートルではシドニーパラリンピックで銀メダル、アテネパラリンピックでは銅メダルを獲得しています。3度目の出場となった北京パラリンピックでは初めてメダルを逃し、悔しい思いをしました。しかし、だからこそパラリンピックでのメダルの価値を改めて感じたそうです。
過去3度のパラリンピックでは、トラックでの短・中距離、そしてマラソンと、多くの種目にエントリーしていました。しかし、今夏のロンドンパラリンピックでは戦略的にトラック競技の短距離に絞り、200メートル、400メートル、800メートルに出場する予定です。なかでも狙っているのは、やはり800メートルでの金メダル。「これまで銀、銅をとって、メダルなしも味わった。残るは金メダルのみ」と並々ならぬ決意をもって、4度目のパラリンピックに挑もうとしています。必ずや、障害者スポーツの発祥の地であるロンドンで、センターポールに日の丸を揚げてくれることでしょう。
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