編集長コラム
障害者スポーツのおもしろさを求め、現場へ
2013.01.08 [伊藤数子「障がい者スポーツの現場から」]
第27回 企業の意識をかえた車いすテニスプレーヤー
厚生労働省および文部科学省による2012年度の大学等卒業予定者の就職内定率は、10月1日現在、63.1%となっています。前年度の59.9%から3ポイント改善したとはいえ、厳しい状況であることには変わりありません。生活保護の受給者も増加の一途を辿っていると言われており、雇用の安定が急務とされています。そんな中、来年4月1日からは障害者の法定雇用率が引き上げられます。これまで「従業員56人以上の事業主は全体の1.8%以上の障害者を雇用する」義務がありました。これが「50人以上の事業主は全体の2.0%以上の障害者を雇用する」とかわるのです。そこで今回は、障害者アスリートの雇用について、具体的なエピソードを交えながら述べてまいります。
このコーナーで何度かお話をしているように、私が目指しているのはユニバーサル社会です。年齢や性別・国や地域、そして障害の有無などにかかわらず、皆が幸せに暮らすことのできる社会の実現を目指しています。その中には雇用も含まれています。しかし、障害のある人たちの就業は、残念ながら日本国内ではそう簡単ではありません。だからこそ、国が「障害者雇用率制度」を定め、障害者の雇用を各企業に義務付けしているのです。自主的に障害者を受け入れる社会であれば、このような法律は定める必要はありません。
では、なぜ企業は障害をもつ人たちの雇用に消極的なのでしょうか。その答えは明らかです。障害をもっていることによって、「できない業務がある」「作業が遅い」などというマイナスイメージばかりが浮上するからです。しかし、実際にはマイナスのことばかりではありませんん。むしろ逆のこともあるのです。今回はそのことをお伝えします。
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