編集長コラム
障害者スポーツのおもしろさを求め、現場へ
2013.04.04 [伊藤数子「障がい者スポーツの現場から」]
第30回 誰が決める!? 「できること」と「できないこと」
もうすぐ入学式の季節ですね。特に小学1年生になる子どもたちは、「学校ってどんなところだろう」「お友達ができるかな」と、ドキドキ、ワクワクしていることでしょう。子どもは好奇心が旺盛です。その対象や度合いは違っても、好奇心のない子どもは皆無と言っても過言ではないでしょう。もちろん、それは障害の有無はまったく関係ありません。そのことを改めて教えてくれたのが、坂口竜太郎くん。以前、このコラムにも登場しましたが、車いすテニスのスーパースター国枝慎吾選手が大好きな9歳の男の子です。今回は彼の新しいチャレンジの話をしたいと思います。
竜太郎くんは2歳の時に事故で下半身麻痺となり、車いすの生活を余儀なくされました。しかし、彼の好奇心は年齢とともに、どんどん膨らんでいきました。小学校に入ってからのことです。友だちから「海に潜りに行くんだ」という話を聞いた竜太郎くんは、帰宅すると両親にこう言いました。
「あのね、○○くんが海に潜りに行くんだって! 僕もやってみたい!」
そこで竜太郎くんのご両親は「よし、わかった」と言って、海に連れて行ったそうです。しかし、彼は下半身不随で泳ぐことはできません。「どうやって海に潜るの?」と不思議に思う人も少ないかもしれませんね。では、どうやって潜ったのかというと、お父さんが竜太郎くんを抱っこした状態で海中へと潜ったのです。竜太郎くんは、初めての海の中の景色に、大はしゃぎだったそうです。
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