編集長コラム
障害者スポーツのおもしろさを求め、現場へ
2014.11.05 [伊藤数子「障がい者スポーツの現場から」]
第49回 アジアパラ競技大会からの教訓
今月行われた韓国・仁川で開催されたアジアパラ競技大会に行ってきました。2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、今回は、大会の運営について着目してみます。この大会では、各競技会場によって、運営の仕方、大会スタッフやボランティアスタッフの様子に違いがありました。「アジア最高峰の競技大会」という競技会場もあれば、「町内会の運動会」のような、アットホームな場面もありました。
ひとつの大会に存在する複数の目的
初日に訪れたメインスタジアムには、聖火が灯っていました。そこには「アジア最高峰の競技大会」としての誇りが映し出されていました。そのメインスタジアムで行われていた陸上競技の運営は、まさに競技大会。大会スタッフやボランティアスタッフがきびきびと行動し、選手たちのサポートをしていたのです。まさに「アジアのトップを競う国際大会」という雰囲気が醸し出されていて、いい緊張感がそこにはありました。その緊張感こそが、会場全体の雰囲気をつくり出し、最高のパフォーマンスを生み出す要因のひとつになる。改めてそう感じました。
一方ある競技会場に行くと、その雰囲気は一転しました。各国の代表選手たちがプレーしているコートと同じフロアの端で、ボランティアスタッフが和気藹々とダンボールからお弁当を出して配っているのです。これはまさに「町内運動会」。そこに競技大会という雰囲気はなく、仲良くスポーツを楽しむ会が行われているといった感じを受けました。
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