編集長コラム
障害者スポーツのおもしろさを求め、現場へ
2015.05.01 [伊藤数子「障がい者スポーツの現場から」]
第55回 一方が"してもらい"、他方が"してあげる"という関係はない
昨年から「挑戦者たち」をサポートしていただいている清水建設に、パラスポーツと深く関わっている方がいる。その話を聞いた私は、是非ともその方にお会いしたいと思い、ご紹介いただきました。その方とは名古屋支店土木部の所長を務める丸山敏男さんです。名古屋へ、インタビューに行くつもりでいた私に、電話口で丸山さんは「ぜひ現場に見に来てくださいよ!」と一言。「もっともだ」と思い、「雪のつどい」を見学するため、3月、長野県志賀高原のスキー場へ行ってきました。
(写真:丸山さん<左から2番目>のグループは4人で構成。丸山さんの左隣が谷尾さん、右隣が茂樹さん)
今年で40回目の「雪のつどい」は、和歌山県内にある特別支援学校の職員などが企画し、1976年からスタートした障がい者向けに数日間行われるスキー教室です。丸山さんが初めて参加したのは20年前。スキー上級者である丸山さんが、奥様の友達である特別支援学校の教諭から参加の依頼を受け、実現したそうです。当初、丸山さんは軽い気持ちで参加しました。が、その日以来、毎年、欠かさず「雪のつどい」に参加することになるのです。
20年前の「雪のつどい」は丸山さんにとって、障がいのある人との初めての交流でした。それまでは障がいのある人に対し、どこか悲観的で暗いというイメージを持っていたそうです。しかし、その時に受けた印象はまったく逆のものでした。障がいがあることをまるで感じさせない。参加者が皆、底抜けに明るかったんです。丸山さんは"大きな思い込みだった。世の中には知らないことがたくさんあるんだな"と感じました。「雪のつどい」に行くたびに、教えられることばかり。刺激を受けて帰ってくる。丸山さんにとって、年に一度、今ではなくてはならない大切なイベントになったそうです。
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