編集長コラム
障害者スポーツのおもしろさを求め、現場へ
2015.09.01 [伊藤数子「パラスポーツの現場から」]
第59回 私が"カープ女子"になったわけ
「パラリンピックの会場を満員にしたい」。2020年東京パラリンピック開催が決定してから、いろいろな方から、この言葉を聞きます。もちろん、私も同じ考えです。以前、当コラムで述べたように"チケット完売"と"満員"は異なります。企業などが購入し、配られたチケットは残念ながら使われないこともあるからです。パラリンピックの成功に向け、様々な意見を交わしている時に、ふと気づいたことがありました。"満席の会場はどんなものなのだろう?"。実は私、オリンピック・パラリンピックの開会式以外で、満員の会場を経験したことがなかったんです。自分の目指すものを体感しようと思い、満席のスポーツの試合を勉強することにしました。
(写真:広島県警が会場で配布した交通事故防止「反射バンド」の「坊や」も可愛い)
せっかく行くのならば"擬似ファン"になってみて、ファンの感覚も体験してみようと考え、プロ野球の広島カープを応援することにしました。いろいろ調べていくうちに、MAZDA Zoom-Zoomスタジアム広島(マツダスタジアム)がいいと思ったからです。マツダスタジアムはメジャリーグのボールパークを参考にしたと言われており、野球ファン以外の人も楽しめる造りになっているところが魅力のひとつです。今シーズンのカープは開幕前から黒田博樹投手の復帰もあって例年以上に優勝への期待が高まっており、チケットの売り上げも好調でした。
そしていよいよ準備を整え、広島へ行きました。この日の試合は、偶然にも黒田投手の登板日。試合を観戦し、その雰囲気の虜になりました。"つもりファン"がたった1試合で本当のファンになってしまったのです。そのうちカープグッズが欲しくなり、実際に購入もしました。球団マスコットのカープ坊やがどんどん可愛く見えてくるとは、想像だにしませんでした。そして、カープの試合結果に一喜一憂するようになったのです。
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