編集長コラム
障害者スポーツのおもしろさを求め、現場へ
2015.10.01 [伊藤数子「パラスポーツの現場から」]
第60回 「少しずつ、社会が変わってくれるといい」~STAND11年目に向かって~
「おまえら、障がい者をさらし者にする気か!」。12年前、パラスポーツのインターネット生中継を行った際にある男性から唐突にぶつけられた言葉は、今も忘れられません。後に振り返ると、NPO法人STANDの設立は、この言葉がきっかけともいえます。そのSTANDはこの9月で10年を迎えることできました。感謝でいっぱいです。
(写真:2003年、初めての生中継の映像を体育館のロビーで展示)
冒頭の「さらし者」については以前、当コラム(第40回"さらし者"という言葉から見える社会)でもご紹介させていただきました。"さらし者"という言葉を辞書で引くと、「人前で恥をかかされた人」と出てきます。これには驚きました、こういう言葉が使われるのは、障がいのある人の側に問題があるのではなく、社会の側にこそ問題があります。
例えば、野球のイチロー選手、ラグビーの五郎丸歩選手らが世界中のテレビに映しだされた時、それを「さらし者にされている」と言う人はいないでしょう。これから先、パラスポーツのアスリートが大活躍し、多くのメディアに登場してきた時、「さらし者」と言われない社会になっていて欲しい。それがSTAND設立や、パラスポーツへの関わりの原点となっています。私たちは"パラスポーツを手段にして社会ソリューションをしよう"と考えたのです。
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