編集長コラム
障害者スポーツのおもしろさを求め、現場へ
2018.01.09 [伊藤数子「パラスポーツの現場から」]
第87回 パラスポーツイベントには、お客様が来ない!?
「CHALLENGE FOR 2020~パラリンピックで社会を変える~」と題したシンポジウムを12月9日、関西学院大学で開催していただきました。"パラリンピックの開催まで約2年半となった今、これからの共生社会づくりへの意識を高めることを目的"とした本シンポジウムには、約400名の参加がありました。
後日、パラスポーツ関係者や自治体担当者の方々など、いろいろな方面から「すごいですね」とのお言葉をいただきました。何がすごいのか? 「400人」も集まったのがすごかったのです。
STAND主催のものに限らず、パラスポーツ関連のイベントなど、どこの主催者も一番頭を悩ませているのは「集客」です。東京都内のある自治体が開催したパラスポーツ体験イベントは、週末にも関わらず午前中は参加者が0人だったと聞きました。またある大学で開いたパラスポーツに関する講座は300人が入れる教室を用意しましたが、実際に集まったのは20名ほど......。
今回、「すごいですね」と言われているうちに、私はふと思いました。「もしかしてパラスポーツが社会に認知され浸透したと感じているのは錯覚なんじゃないか?」と。「国民の98%がパラリンピックを知っている」(2015年内閣府・東京オリンピック・パラリンピックに関する世論調査より)という数字は、パラリンピックの認知度が高いことを示しているだけなのに、パラスポーツや障がいのある人への理解が進んでいるとすっかり勘違いしてしまったのではないか、と。
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