編集長コラム
障害者スポーツのおもしろさを求め、現場へ
2018.07.02 [伊藤数子「パラスポーツの現場から」]
第93回 パラスポーツ体験会を進化させる
2020東京パラリンピックに向けて、パラスポーツを多くの人に知ってもらおうと、パラスポーツ体験会が様々なかたちで行われています。主催は自治体、企業、各種団体など、STANDでも設立以来、定期的に行っています。
パラアスリートの講演、パラアスリートとのふれあいや一緒に行うスポーツ体験、障がいのある人とない人がスポーツを通じて一緒に遊ぶ、などが主なコンテンツです。
2013年、2020東京パラリンピックの開催が決定した当時はまだパラスポーツのことがあまり知られていませんでした。その頃の体験会は「競技が身近になった」「競技の面白さを知った」「パラリンピアンのすごさを知った」と大変有意義なものでした。
あれから5年が経ち体験会はパラスポーツを知ってもらうという役割から、現在は少し変化してきました。体験会に参加した方からいただく感想の中に、「アイマスクをして歩いてみた。やはり見えないと不便」「車いすに乗ってバスケットは楽しいけど、階段は大変だ」という声があります。これでは障がいの不便さだけが印象に残ってしまいます。ここには大きな課題があると考えています。
「不便だけれど大変だけれど、こうしたらこういうことができる」という理解の先にある工夫の段階までを体験会の中で進めることが重要だと考えています。
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