編集長コラム
障害者スポーツのおもしろさを求め、現場へ
2018.08.01 [伊藤数子「パラスポーツの現場から」]
第94回 スポーツジムが、共生社会への扉を開く!
最近、公共施設も含むスポーツジムが、障がいのある人に開放されつつあるとよく耳にします。その理由のひとつには2020東京オリンピック・パラリンピックの開催に向けて、パラスポーツやパラリンピックへの理解が深まったこと。それに端を発して共生社会への機運が高まっていることがあるでしょう。また、パラスポーツの競技性の向上に伴って、科学トレーニングを取り入れるパラアスリートが門をたたく機会が増えたことも後押ししているかもしれません。
その昔、障がいのある人がスポーツジムへ入会しようとしても断られたというケースを多く聞きました。断られる理由は下記のようなものでした。
「何かあったら......」「障がい者用の設備や機器が整っていないので......」「他のお客さまが(障がいのある人が気になって)トレーニングに集中できないとおっしゃるので......」。またプールを利用する子供の保護者たちがスポーツセンターで、「うちの子供が障がい者と同じ水に入っているのはちょっと......」と、訴えたという話もありました。
入り口に「障がい者の入会はお断りします」の張り紙をしていた施設も実際にあったくらいです。
これらの「お断りの理由」は、実はあまり説得力がないものばかりです。例えば「何かあったら」は、障がいがあってもなくても「何かあるときはある」ものです。「万が一」ばかりを考えていては何もできない。「スポーツはやめましょう」と言わなければなりません。
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