編集長コラム
障害者スポーツのおもしろさを求め、現場へ
2018.12.03 [伊藤数子「パラスポーツの現場から」]
第98回 わからないから面白い! 渋谷「パラ草の会」
パラスポーツを応援する草の根運動の会、通称・パラ草の会。この会は東京パラリンピックを盛り上げるだけでなく、地域社会への貢献を通じて、共生社会の実現を目指しています。代表を務める髙橋千善さんは、生まれも育ちも東京都渋谷区、三代続く地元企業の社長です。
髙橋さんは2020年に東京オリンピック・パラリンピックがやって来ることを受けて、「パラリンピックを応援しよう」と思い立ち、「パラリンピックを応援する勝手連」を立ち上げました(のちに勝手連から草の根運動の会に変更)。ところが、オリンピック・パラリンピック大会組織委員会のブランドプロテクションに抵触するため、「パラリンピック」という名称は使ってはいけないということが分かりました。さらに会員が集まらないことも悩みでした。
会の趣旨を説明すると「いいねえ」と多くの人は言うものの入会してくれず、会員が集まりません。会の活動はほぼ暗礁に乗り上げ、髙橋さんは「もう会は解散してしまおうかな」と、以前勤めていた会社の後輩に相談しました。その会社でオリンピック・パラリンピック担当をしていた人物です。
そこで会の解散を相談するうちに、髙橋さんが「パラリンピックを応援するだけでなく、パラスポーツで渋谷を共生社会にすることに目的を変えればその方が幅も広がるし、2020年以降も活動を継続できるんじゃないか」と言うと、「先輩、いいじゃないですか! やりましょう」と。そして、その後輩に「じゃあ、手伝ってくれ」と頼んでいたのです。会を解散する相談のはずが、「パラ草の会」として活動が続くことになりました。髙橋さんいわく、まさにケガの功名です。......。
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