編集長コラム
障害者スポーツのおもしろさを求め、現場へ
2019.03.01 [伊藤数子「パラスポーツの現場から」]
第101回 もう少しすれば社会を変える中高生
都内の高校で1年生の授業を担当する機会をいただきました。「人間と社会」という時間です。これは平成28年度から始まったもので、<人間としての在り方生き方に関する教科>(東京都教育庁ウェブサイトより)とのこと。目標は<道徳性を養い、判断基準(価値観)を高めることで、社会的現実に照らし、よりよい生き方を主体的に選択し行動する力を育成する>(同)ことです。
私が赴いた学校ではこの授業をキャリア教育として捉え、「働くことは、やりがいや生きがいなど新たな価値観を見出す機会となる」としています。
さて授業で私は、NPOを設立して働いてきたことをありのままに話しました。話終えて、生徒たちからの質問タイム。一番多かった質問は「なぜパラスポーツに関わったのですか?」というものでした。
以前、このコラムにも書きましたが、もう一度紹介します。
初めて電動車いすサッカーのインターネット生中継をしたとき、試合会場で「おまえら、障がい者をさらし者にしてどうするつもりだ」と言われました。調べると「さらし者」とは、「人前で恥をかかされた者」とありました。障がいのある人を「さらし者」と呼んでしまうことに大きな違和感を抱き、そんな社会に課題があると感じました。「その社会を少しでも変えられたら......」との想いで事業を始めました。これまでにない新しい、自分たちのやり方で進めてみよう、と。これがパラスポーツに関わるようになったきっかけです...。
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