編集長コラム
障害者スポーツのおもしろさを求め、現場へ
2020.07.01 [伊藤数子「パラスポーツの現場から」]
第117回 自粛中に思ったこと。「だから、元には戻りません!」
緊急事態宣言が解除になり、世の中は「ウィズコロナ」に向け動き始めています。そんな中、テレビで「元に戻る日を楽しみにしています」「そろそろ元に戻りそうですね」という言葉をよく耳にしますが、これに違和感を覚えています。「元に戻る」という言葉を聞いたり、SNSで「元通りに早くならないかなー」なんて書き込みを見るたびに、心の中で「だから戻りませんよ!」といちいちツッコミを入れています。
私は「元に戻る」ことから一旦離れた方が良いと考えています。コロナ前は果たしてベストだったのか? 戻ることが最善なのか。「戻るのではなく違うところに行くのだ」と考えた方が、「この方がいいんじゃないか」「これもいいんじゃないか」と新しい道が拓けるのではないのか。戻るのではなく、向きを変えて次に進む気持ちを持ちたい。そう考えています。
プロスポーツの世界では、6月19日に約3カ月遅れでプロ野球が開幕しました。無観客試合をテレビで観戦すると、客席に原寸大の人型パネルが座り、ファンの顔写真や応援動画がビジョンに流れていました。得点が入りそうなチャンスの場面では、昨年の録音というスタジアムの応援音声が流れました...。
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