編集長コラム

障害者スポーツのおもしろさを求め、現場へ

第119回 コロナの夏、スポーツの現場の話を聞きまくり

写真:イメージ 新型コロナウイルスで外出も人と話す機会も激減したこの夏、スポーツでつながる友人と近況を話しました。ひとりはゴルフのレッスンに通っている友人。10名くらいのグループレッスンで、練習場で一列に並んで打っているところにレッスンプロの先生が回ってきてアドバイスをする。そのレッスンでこんな光景を目にしたそうです。

 座って休憩していると、隣の打席から女性が話しかけてきました。「私、他の曜日のレッスンにしようかな」「午後のコースは暑いかな」「日曜日は用事があってダメなの」と、とりとめのない話ばかり。しばらく観察していると、その女性は休憩している人を見つけては話しかけに行くんだそうです。

 私が「その人は練習しているの?」と聞くと、「練習は本当に少しだけ。先生が回ってきそうなときだけ」と友人。お喋りと、少しだけの練習ですが、毎週レッスンに通っているんだそうです。その女性はウエアはばっちりキマッテいる、と友人は付け加えました。

 カープ女子の私ですが、今年はスタジアムに行けません。5000人という狭き門を突破した広島在住の友人に、「スタジアムの様子を細かく見てきて」と依頼しました。

 大声での声援や鳴り物が規制されていて客席からの音がないので、これまで聞こえなかった音が聞こえるそうです。ピッチャーの雄叫び、ミットに収まるボールの音、バットの折れた音。ときにはデッドボールが当たる音も...。


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伊藤 数子(いとう かずこ)

挑戦者たち編集長
/NPO法人STAND代表理事

新潟県生まれ。1991年に車いす陸上を観戦したことがきっかけとなり、障害者スポーツの振興に携わるようになる。未来に向けて次代の選手・ファンを拡げていくために、障害者スポーツのスポーツとしてのおもしろさを伝えるウェブサイト「挑戦者たち」、障害者スポーツ競技大会のインターネットライブ中継「モバチュウ」、障害者スポーツ体験会などの事業を企業・団体と協働で展開している。2012年ロンドンパラリンピックでは日本選手たちの挑戦を伝えるウェブサイト「The Road to London」を開幕1年前に開設した。著書に「ようこそ、障害者スポーツへ -パラリンピックを目指すアスリートたち-」(廣済堂出版)など。

ロンドン2012パラリンピック 日本選手たちの挑戦 「The Road to London」

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