編集長コラム
障害者スポーツのおもしろさを求め、現場へ
2021.03.09 [伊藤数子「パラスポーツの現場から」]
第125回 コロナは世の中の不便なことが一つ増えただけ~あるパラアスリートの言葉~
ある日のことです。テレビを見ていたらあるパラアスリートが出演していました。
「コロナで大変じゃないですか」という質問に、「日ごろから制約や制限になれています。何々ができなくなって大変、というのを聞きますけれど、私はそれほど慌てていないし、特別感はありません」と答えていました。
また別のパラアスリートは「何十年ずっと不便だったから、なんとかしてできないかといつも工夫してきました。コロナにまつわるあれこれは、これらにひとつ増えただけのことです」と言っていました。
なんという、圧倒的な柔軟性でしょうか。東京都などに2度目の緊急事態宣言も発出され、世界がすっかり変わってしまったと感じている私にとって、彼らの言葉はとても刺激的でした私の実家のある新潟県魚沼市(旧・北魚沼郡小出町)は、当時人口1万人ちょっと(小出町)の小さな町でした。積雪量が3メートルを超える豪雪地帯です。除雪作業は家族総出の日課であり、学校から帰ると毎日、もちろん土日も、雪と格闘しました。屋根から降ろした雪はどんどんと溜まって、家の高さを超えてしまいます。雪を降ろさなければ家が倒壊するし、家の周りにたまった雪を排雪しなければ、横から家が押しつぶされます...。
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