編集長コラム
障害者スポーツのおもしろさを求め、現場へ
2024.11.01 [伊藤数子「パラスポーツの現場から」]
第169回 「筋肉とピアノ」
いま思うと、私には筋肉への憧れがあるようです。
学生の頃、アルバイトで貯めたお金で、プロテインを買いました。バスケットボール部に所属し、最初は練習にもしっかり参加していました。「練習後に飲むと、筋肉がつく」という体育科の同級生が飲んでいたのを真似したのです。私にとって、かなりの出費でしたが、「筋肉がつく」と思うとわくわくしました。しかし効果は感じられませんでした。今考えると、効果が出るような飲み方をしていなかった。手応えがないのは当たり前のことでした。
「期待したほどじゃない。それにココア味ってなんだ。甘いじゃないか。太るんじゃない?」と完全に間違った考えのもと、あっという間に摂取を止めました。
そして時は過ぎ――。
STANDでの活動が始まると、様々なスポーツの場面に立ち会い、魅力的な人に出会いました。もともとスポーツ好きだったにもかかわらず、自身が身体を動かす機会をなかなか持たずに過ごしました。そして5年前、ふと気づくとこんな傾向が見られるようになりました。
・駅の階段を最後まで登れず、途中で休憩する。
・立ち上がった際、膝に痛みが走る。
・歩く速度が落ちる。
・服のサイズが合わなく、着られなくなる。
これはまずいぞ、と危機感を覚えた私は、パーソナルトレーニングに通いました......。
このつづきは >>二宮清純責任編集「SPORTS COMMUNICATIONS」サイトでお楽しみください!