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ブラインドサッカー日本代表、リオパラリンピック出場ならず

 9月2日から7日にかけて東京・代々木競技場フットサルコートで行われた、ブラインドサッカーのアジア選手権。日本代表は予選リーグを3勝1分1敗の3位で終え、2位までに与えられるリオパラリンピック出場権を逃しました。

 第1戦は、満員の観客の前でアジア最強の中国と対戦。鉄壁の守備で挑みましたが、0対1で黒星スタート。つづく第2戦は、4年前にロンドン行きを阻止されたイラン。黒田、川村が良い形をつくりましたが、あと一歩、得点には届かず。スコアレスドローとなります。
 追い込まれた日本は第3戦で韓国に2対0で快勝。第4戦はインドに5対0の大勝を収め、3位に浮上します。
 しかし、予選リーグ最終5戦目、日本の試合を前に行われた、イラン対韓国戦で イランが4対0で勝利。日本はこれによりパラリンピック出場の可能性がなくなりました。それでも「サポーターの前で恥ずかしい試合はできない」と気持ちを切り替えた日本。激しく雨が降る最悪のコンディションでのマレーシア戦、川村が意地の2ゴールを決めて快勝し、予選リーグを終えました。
 試合後、サポーターたちに挨拶をすると、緊張の糸が切れたように涙する選手が続出。「たくさんの応援に、結果を出して恩返ししたかった」。多くの選手が喜びを分かちあえなかった悔しさを、口にしていました。
 川村怜選手は「こんなにもパラリンピックへの道は険しいのかと思った。中国やイラン相手にも得点して勝たないと上にいけない。もっと強くなってピッチに帰ってきたい」と話しました。
 キャプテンの落合啓士選手は「自分たちの出せる力は出せた。ただ、日本よりも中国・イランが上にいたんだと思う」と話しました。
 日本は3位決定戦で韓国にPK戦の末に敗れ、4位で大会を終えました。

中国選手と激しく競り合う川村選手

中国選手と激しく競り合う川村選手
フリーキックのチャンスに作戦を立てる

フリーキックのチャンスに作戦を立てる
イランに引き分け、立ち上がれない川村選手

イラン戦、引き分けという結果に立ち上がれない川村選手
リオパラリンピック出場権を逃し、涙を流す落合選手

リオパラリンピック出場を逃し、涙を流す落合選手


 東京の代々木で行われた今大会。連日、多くの観客、メディアが訪れ、関心の高さを伺わせました。
 また、大会を通して日本代表を支えたサポーターたちの姿は、とても印象深いものでした。音を頼りにするブランドサッカーは、プレー中に観客は声を出してはいけません。初めて訪れた競技の知識のない観客たちに、サポーターが、試合前にこう説明をするのです。
「試合中、惜しいシーンなどで、声を出したくなる気持ちはすごくよく分かります。でも、そうすると選手たちがボールの位置が分からなくなってしまう。ピンチになってしまう。ぐっと声を押し殺して、心の中でエールを送りましょう。そして、ゴールのあとに思いっきり声を上げて喜びましょう」

選手を後押しするために、競技の特性を観客席の中で共有する姿が、とても新鮮な光景でした。スポーツは観客に支えられるものだ、と改めて実感した大会でした。

入場時には大きなユニホームが現れた
入場時には大きなユニホームが現れた
試合前、客席が一体となって応援する
試合前、客席が一体となって応援する
選手たちには、最後まで大きな声援が送られた
選手たちには、最後まで大きな声援が送られた