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~東京パラリンピックの現場から~ 決してコートを振り向かない二人。

 9月1日。有明体操競技場でボッチャBC3 個人決勝が行われました。
出場選手を示す掲示板には、国名・選手名・アシスタント名 と表示されます。

 ボッチャでは最も障害の重いクラスで、選手にはアシスタントが一人つきます。ランプというボールの幅の滑り台のような器具を使用し、ボールをコートに転がして試合を進めます。

 「個人戦」だけれど、アシスタントと二人。対戦する選手のそれぞれのアシスタントはコートを背にして、決して振り向かない。選手が投じるときも、相手方が投げている間も後ろ向きで待機。自分の番になったとき、スローラインまで、選手は前進、アシスタントは後ろ歩き。投げ終わって審判と確認するときも選手だけが参加。その間も後ろを向いたまま。1エンドが終わってボールをコートに拾いに行く時だけアシスタントはコートを見ます。

 『1人につき1人のアシスタントが競技をサポートできるが、その役割はクラスごとに規定がある。たとえば、BC3クラスでは、選手の指示を受けてランプの高さや位置、コースを調整したり、ボールを丸めたり、選手がプッシュする位置にボールを置くなどの役割を担うが、競技中、コートを見ることは禁止されている(東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会公式サイトより)』からです。

 ゲーム中は応援の関係者が声援を送り、拍手をする。その声で今投じたボールがどうだったのか、想像できるでしょう。でも決して振り返りません。

 勝敗が決してメダルセレモニー。メダルは二つずつ。選手とそしてアシスタントの胸にも輝きました。「個人」というカテゴリですが、間違いなくチーム競技なのです。


ボッチャでは最も障害の重いクラス BC3
ボッチャでは最も障害の重いクラス BC3



選手それぞれにアシスタントがつく
選手それぞれにアシスタントがつく



コートを振り向かない
コートを振り向かない